【飲み比べレポ】カルディのコーヒー豆16種
購入品目一覧
➀ジュエリーブレンド
②マンデリンフレンチ
③ノエル
④ブルーマウンテンブレンド
⑤モカフレンチ
⑥ツッカーノブルボン
⑦カナリオ
⑧アイスブレンド
⑨サマーブレンド
⑩スペシャルブレンド
⑪イタリアーノ
⑫ブラックハロウィンブレンド
⑬ドイトンコーヒー
⑭フェアトレードブラジルダークロースト
⑮ハッピーホリデイズブレンド
⑯ブラジル
一日のはじまりはコーヒーから
朝の一杯と言えば「コーヒー」を思い浮かべる人は多いだろう。ちょっとした休憩のときに飲む一杯だったり、ティータイムのくつろぎカフェで歓談しながらの一杯、たばこを嗜む方であれば一服のお決まりのセットとなっている光景はしばしば目にするシーンだ。
飲み方のアレンジも豊富
さまざまな場面で登場するコーヒー。牛乳で割ったり、チョコや季節のフレーバー、さらにはホイップなどのデザート系トッピングも加えながら、アレンジの幅も豊富だ。それぞれに好みのバリエーションを楽しめるのは嬉しい。
贅沢品にもなる味わい
そんなコーヒーだが、豆そのものの種類も多彩に溢れ、淹れ方ひとつで違いが出るほど奥が深い専門性も有している。ホットやアイスとしての飲み方も選べ、一年を通じてあらゆる季節でも楽しめるコーヒーに焦点を当ててみたい。
自分にぴったりなコーヒーを教えてくれる「好みのコーヒー診断」なるものもあったので、紹介しておきたい。コーヒー好きの方もそうでない方も、一度は見てみると新たな発見があって面白いかもしれない。
コーヒーのサブスクならPostCoffee【ポストコーヒー】
まずは、より香りを感じられるコーヒーミルを使って、実際に手で豆を挽いて淹れてみたい。実際に購入したのがこれだ。
レトロ感ただよう風貌もまた味わいがある
細かめだったり粗めだったりと挽き加減も調節できる。手動のコーヒーミルはここでも購入することができるのでご参考までに紹介しておこう。
独自情報という限定的な側面はご放念いただき、導き出されたのはKALDIだ。コーヒー豆を購入するにあたって、基準としたのは「比較的簡単に誰もが入手できる」という点と、「ある程度の品数を揃えている」という点だ。
コーヒーのみならず色々な食品が売られている「KALDI」の店内では、混雑時にはやや狭いと感じる通路でもあるが、間接照明がほどよく落ち着く雰囲気でありながら、まるで宝探しをしているかのような「なにかを見つける楽しみ」を体感できるエンターテイメント性も垣間見える。
カルディで実際に購入したほかの商品レビューもあるので、そちらも良かったらご覧頂きたい。
もはや桜風味の『新』和菓子 ~カルディ「さくらきなこねじり」~
ジュエリーブレンド
ブラジル産豆だけをブレンド、リッチな味わい
まず初めに購入したのはこれだ。商品ごとに味わいの参考となるチャートが描いてあるのもわかりやすい。
酸味と苦みのバランスは「中間」で、飲みごたえを表すボディ感も「中間」、コクを表す煎り具合は「やや浅煎り」。
キャプションでの説明書きには「完熟したコーヒーチェリーの色から宝石の名前がついた、赤いルビー種と黄色いトパージオ種の2つの品種をブレンド。ふくよかさとライトビターな後味が奥行きを生み出します。」とある。
商品カードとほぼ同じくらいの大きさで、「スタッフおすすめのコーヒーです」というロゴシールも貼ってある。味わいのチャートもほぼスタンダードな中間値であり、スタッフおすすめということから大いに期待できる。さっそく実際に淹れてみたい。
いよいよバリスタ気取りスタート
まずは豆を挽こう。コーヒーミルの挽き方は簡単に設定できる。粗めと細かめの中間から「やや細かめ」を設定した。豆の量もしっかりと計量しておきたい。豆の重さは12.5gとして、お湯の量は180gとした。1杯あたり約53円という計算だ。
コーヒーミルが手動なのが良かった。挽いている感触が直に伝わってくるのがわかる。自分の手でレバーを回転させて豆を挽いている時間も楽しげでアナログな感じがいい。やや浅煎りの豆ということで、挽いているときにガリガリッというような若干の硬さを感じる。これぞ美味しいコーヒーを飲むための下準備だと言わんばかりの自己満足感だ。
コーヒーフィルターをセットして熱いお湯を注ぎ入れる
もちろんコーヒーカップは事前に温めておきたい。ドリップでコーヒーを注ぎ入れたときに、カップが冷たいとせっかくのコーヒーが冷めるのを防ぐのが最大の目的だ。できるだけ手を尽くして渾身の一杯を淹れたい。
一旦、挽いたコーヒー豆にお湯を含ませて蒸らす工程を取り、30秒ほど待つ。この時間がなんともじれったいのだが、お湯を注いだ瞬間にほわっとコーヒーの芳しい香りが漂ってくるのもお手製ならではの醍醐味だ。こうしたそれぞれの工程を経て、ようやく1杯のコーヒーが出来上がる。さっそく実際に飲んでみたい。
しっかりとしたコクと、ほどよい後味
まず一口飲んでみて感じたのは、香りの高さだ。そして味わいはと言うと、香ばしいコクと、すっきりとした後味が印象的だ。たしかにスタッフの方がおすすめするのも頷ける。
強すぎず、かといって控えめ過ぎずなバランス感が絶妙だ。これは、朝の一杯でも食後の一杯でも、はたまたお昼のカフェタイムにでも頂きたい一杯だ。やはり、手間をかけてでもコーヒーミルで挽いて淹れたコーヒーは格別な味わいがある。
ジュエリーブレンドという名にふさわしい、安定の逸品と言えるのではないだろうか。
マンデリンフレンチ
力強くシャープな苦みとコク
次に購入したのがこれだ。商品チャートの表示では、酸味と苦みのバランスは「苦み強め」、飲みごたえのボディ感は「やや強め」、コク感の煎り方は「深煎り」。
キャプションの説明書きには、「野性味あふれる香りと強いボディ。深煎りにすることで更に個性を引き出したコーヒー。」とのことだ。価格は、先のジュエリーブレンドと同じ200gで858円。一杯あたり約53円といった値ごろ感だ。
高級感ただようネーミング
マンデリンフレンチという商品名から、個人的にはどことなくオシャレな響きを感じる。とくに「フレンチ」というワードからは、基本となるコーヒーの持ち味は活かしつつも、華やかで独特なアレンジを加えたワンランク上に位置するマイナーチェンジをしたかのようにも思えてくるほどだ。
期待に胸が高鳴るのをおさえつつ、さっそく実際に豆を挽いてみたい。
こんがりローストされた香ばしい色
深煎りということもあって、豆の色も濃い茶色をしている。コーヒーミルで挽いた瞬間に、その違いもわかった。挽く感触が柔らかい。
浅煎りの豆はガリガリッとした感触で、挽いている時に何度か引っかかるような場面があったが、この深煎りの豆は引っかかることなくスムーズにハンドルが回り、大げさに言うならフリーズドライのような乾燥した軽い何かを挽いている感触でもあった。
このスムーズな感じ、気持ちがいい。
コーヒー豆の一粒一粒が持つパワーを感じる
自分の手で挽いて淹れたコーヒーが美味しく感じるのは気のせいだろうか。いや、確実に香りという点では味わい深い。味覚と匂いは連動しているからであろう。
商品カードのキャプションにもあったように、飲みごたえ感は重量級だ。とはいえ、後味はすっきりしている。しっかりとしたコクを感じ、一杯で十分な満足感を得られるコーヒーだ。
酸味はほとんど無く、苦み系統のコクがあるので、牛乳で割ってカフェオレにしても良いだろう。甘いのがお好きな方は、砂糖を入れたりチョコソースやキャラメルソースを混ぜても良さそうだ。
この味わいで、この価格帯は、コスパが優れていると言って良いのではないだろうか。
ノエル
スイーツによく合うクリスマス限定商品
次に購入したのは、冬になると登場する季節限定の豆だ。ネーミングの「ノエル」という文字からもクリスマスにターゲッティングしているのがわかる。
チャートでは、酸味と苦みのバランスは「かなり苦め」、飲みごたえ感は「強め」、コク感の煎り方は「深煎り」だ。
価格は200gで750円ということで、一杯あたり46.8円。上記2種と比べると、ややリーズナブルだ。一般的にクリスマス向けの商品は高単価な傾向が多い中、これは良心的にも思える。
見方を変えてみると、そもそもコーヒー豆という商品特性上、ギフト用やプレゼント用といった使い方ではなく、自分用としての用途をコンセプトとして価格設定しているのかもしれない。
いずれにしても、消費者としては有り難い例外的な商品戦略だ。
しっかりと熟成された漆黒の豆
深い味わいを連想させるような、ほぼ黒に近い濃い茶色をしている。ミルで挽いている感触も柔らかい。
一年最後の冬の楽しみ
一口飲んだ味わいから伝わってくる重厚さは存在感たっぷりだ。まるでエスプレッソなのではないか、というくらいの飲み応えがある。これはたしかにケーキやスイーツにぴったりなコーヒーだ。
寒い冬、温かい部屋でクリスマスケーキと一緒に楽しむコーヒーとして作られた「ノエル」。冬の楽しみがまたひとつ増えた気がした。パッケージの赤いクリスマスカラーからも、冬の季節感を感じる11月から12月頃までのクリスマスシーズンに楽しみたい逸品だ。
来年はどんなノエルが販売されるのだろうか。次回作にも期待ができる。もうすでに次の冬が待ち遠しい。
ブルーマウンテンブレンド
”ブルーマウンテン” の堂々たる品格
次に購入したのは、品ぞろえ豊富なショーケースの中でひときわ桁違いの商品価格を解き放っている一品だ。200gで1,814円というカルディの中でも最もラグジュアリーなランクに位置する。一杯あたり113円ということからも缶コーヒーに並ぶ価格帯だ。「スタッフおすすめのコーヒーです。」というサジェストも自信の表れだろうか。
チャート表示では、ジュエリーブレンドとほぼ同様で、煎り方が「やや浅煎り」になっている点以外は、中央値のスタンダードポジションだ。
必要最低限の焙焼加減
豆の色は、浅煎りということで薄い茶色をしている。爽やかな味わいを連想させるライトなカラーだ。
主張しすぎない味わいが奥ゆかしい
贅沢なコーヒーを飲むということで、気分も高揚してきた。それと同時に、期待もこれまでで最もマックスに達している。
香りは特別強いという感じはなかったが、味わいはこれまで飲んだコーヒーの中で最も顕著なインパクトを感じた。
雑味が極めて少ないのだ。酸味と苦みのバランスも確かに絶妙だ。後味もすっきりとしていて飲みやすい。
価格と味のバランスについては、希少性の豆という事も否めないのだろうが、やはり贅沢品という言葉に収められそうな気がした。
モカフレンチ
モカが香る、透明感のある苦み
次なるコーヒーはこれだ。「モカフレンチ」。モカと付いているだけあって、チョコレート風味ということだろうか。コーヒーチェーン店でよく見かけるカフェモカという飲み物がそれを連想させる。
酸味と苦みのバランスは「苦み」寄り。ボディ感は「強め」。煎り方は「深煎り」だ。チャート表示ではコク感強めの飲みごたえしっかり的な味わいイメージだ。
なんだかチョコレートのようにも見えなくもない
ちゃんと深煎りでありながら、煎り過ぎないぎりぎりのところを攻める焙煎感が見て取れる。煎り加減は「マンデリンフレンチ」と同じチャート位置だ。
インパクトある質感
豆を挽いてペーパーフィルターに入れるときに気付いたのだが、この豆はこれまでの豆には無い強い特徴があった。「しっとり感」だ。挽いた豆の粉がまるで水分を含んでいるような風合いなのだ。水分なのか油分なのかわからないが、とにかくサラサラというよりは、やや纏わりつくようなウェット感だ。
クオリティの高い紹介文
商品カードのキャプションには「バニラやジャスミンを思わせる、驚くほど豊かで甘い香りは、透明感のある苦みとともに、余韻がいつまでも続きます」とある。この文面、飲む前からハードルを上げ過ぎてやしないだろうか、と余計な心配を抱いてしまったが、まずは実際に飲んでみよう。
満たされる完成度
ハードルが高くなったところで飲んだにしては、意外に違和感は感じなかった。
たしかにこれは香りが強く、申し分ない上質感だ。苦みもすっきりとしていて、これも確かに透明感を感じる。クセのないコーヒーの酸味も控えめに感じるバランス感は素晴らしい品質だろう。
一杯あたり59円ということを考えると、コスパは大変優れているコーヒー豆だ。おもてなしに出す一杯としても十分な満足感を得られるのではないだろうか。どんなシーンでも飲みたいと思える逸品だ。
ツッカーノブルボン
完熟ブルボン種を日陰干し。ふくよかな甘さ
次に購入したのはこちら「ツッカーノブルボン」。数あるラインナップの中で、ときどき目にする赤い商品カードのコーヒー豆。基本の商品カードは黒を基調としているのだが、先の「ノエル」もそうだが、季節のイベントと関係があるのかどうかはわからないが、とにかく目を引く色使いだ。
チャート表示では、酸味と苦みのバランスは「中間値」。コク感は「やや強め」。煎り加減は「やや浅煎り」だ。
商品カードの説明には「ブラジル産ブルボン種の完熟した実だけを収穫、丁寧に乾燥をしました。深く甘いふくよかな香りが楽しめます。」とある。
完熟していない未成熟な豆は、とても飲めたものではないくらい不味いようなので、コーヒーとして飲むにはどれも完熟した豆を使うことから考えると、当たり前のことを書いているようにも思えてくるのは気のせいだろうか。
「丁寧に乾燥しました」というのも、丁寧じゃない乾燥の仕方があるのだろうか、とここでもまた無駄に余計なお世話と言わんばかりの突っ込み的な指摘点が浮かんでくる。
毎年のワインの仕上がりを表現するボージョレ・ヌーボーみたいだ。
商品説明を考える側もいろいろ大変なんだよ、という作り手側の事情を一切考えていない個人的な物言いはこれくらいにして、努力の末に生み出された商品と素直に向き合いたい。
やさしい焙煎の色合い
やや浅煎りというだけあって、爽やかな仕上がりだ。
ブラジルの生産者のこだわり
「ツッカーノ」という名称は、ブラジルの熱帯雨林に生息する国鳥の「TUCANO」から取られているようなのだが、それだけブラジルを代表するコーヒー豆のひとつとして、生産者の思いが込められているようだ。
そのこだわりが乾燥の仕方だ。通常はパティオという乾燥場で行われるのだが、このツッカーノブルボンは、直射日光を避けた日陰で、しかも宙吊りのネットに広げて、じっくり乾燥させられるのだ。
美味しいコーヒーを作りたいという現地の生産者の思い。大事にしたい。
長く愛されるには理由があった
挽いた感じは、豆の固さを感じるガリガリっとした感触。これだけで、さっぱりとした味わいを連想させてくれる。
実際に飲んでみよう。まず感じるのは、酸味と苦みの絶妙なバランス感だ。チャート表示では中間値であったが、確かにちょうどいい。ちょっと驚いた。酸っぱ過ぎず、苦過ぎずだ。
スタンダードはあくまでも尖りの無いどっちとも取らずな、言わば特徴のないポジショニングだと思っていたが、これはスタンダードこそが最もバランス感に長ける優れたハーモニーを有した逸材であると改めて実感させられた。
飲みごたえも程よくある中で、やわらかな味わい。主張しない控えめな飲み心地が、落ち着ける一杯だ。
決して目立つ存在ではないけれど、どこか忘れられない穏やかさと優しさが安心感を与えてくれる。安心感ってやっぱり大事だなと思った。こういうのが誰にでも好かれる、一見するとなかなか見えないけれど価値ある本質なのだろう。
カナリオ
黄色い実をつける「カナリオ種」の華やかな香り
次に購入したのはこちら。
ある程度いろいろな豆を購入してきて、それぞれの特徴や違いもわかってきたところで、次はどうしようかと考えていた。
いくつか候補を選定して店舗へ向かうのだが、やはり店頭で最後の迷いが生じるのもまた楽しい。
最終的に選んだ決め手がこれだ。
「レモンイエローの実をつける、大変希少なブラジルの豆。」というキャプションだ。
「華やかな香りと豆本来の甘さのバランスが、素晴らしい逸品です。」と購入意欲をさらに畳みかけてくる。
これは期待して良いという自信あふれる文言だ。
味わいチャート
商品カードのチャートでは、「やや酸味寄り」で軽めの飲みごたえ感である「ライトボディ寄り」、煎り方も「やや浅煎り」だ。
さっぱりした味わいの豆だろうか。
数種の豆を味わってきた経験が積み重ねられてきたのか、チャートを見るだけで、味わいの予測度が高まってきている気がする。
平均的な焙煎カラー
平均というとなんとなく平凡な印象を抱きがちだが、コーヒー豆となると話が変わってくる。
これまで購入してきた経験から考えると、スタンダードこそバランス感に優れているという点だ。
特徴的で何かが秀でていることに対して高い評価を得る場合もあるが、見方を変えるとバランスや安定感が欠如しているとも判断できる。
個性や特徴は大事にしたい要素ではあるが、ある程度のバランス感は持っておきたい。
レモンイエローの実
フルーティーな黄色い実
通常は赤い実をつけるコーヒーだが、突然変異で黄色くなったようだ。
「カナリオ」という鳥
まるで黄色い鳥がとまっているようなところからカナリオと呼ばれたそうである。
「ツッカーノブルボン」もそうだが、コーヒー豆の名称はどうやら鳥の名前を冠している傾向があるようだ。
さっそく淹れて飲んでみよう
豆を挽いた感じは、やや浅煎りということもあって少し固めではあるが、ほどよい力加減で楽々と挽けた。
なんとなく、木を削ったときの香りに近いようにも思える。
お湯を注ぐ前に漂ってくるコーヒー豆の芳しい香りは、挽いた直後のこの瞬間しか味わえない楽しみであろう。
清涼感ある清々しい味わい
商品カードにも書いてあった通り、たしかに香りが華やかだ。
重厚感というよりは、軽やかな爽快感がある。
味はというと、やはり香りとリンクしていて軽い口当たりだ。
すっきりとしていて、雑味の少ない飲み心地だ。
後から来る僅かな酸味が爽やかなバランス感だ。
なんとなくブルーマウンテンの味わいにも似ている気がした。
1杯12.5gとすると、46.9円。
この味わいで、この価格帯は素晴らしい。
アイスブレンド
これぞ王道! 夏の人気No.1コーヒー
次なるコーヒー豆はこちら。暑くなってきた季節、「夏の人気No.1」とあれば購入しない理由はない。
夏に向けた商品ということで、わかりやすいネーミングが変に飾ってなくていい。
味わいチャートでは、もちろん深煎りで、苦味も最大値だ。
キャプションには、「アイスでもホットでもしっかりとした飲みごたえを楽しめるブレンドです。濃厚な苦味とブラジル本来の甘さが楽しめます。」とある。
つまりは、なんでもできる万能選手ということだろうか。
バスケットボールを題材にして絶大な人気を誇る漫画「スラムダンク」に登場するキャラクターを例にとるならば、インサイドからでもアウトサイドからでも得点を取ることができるスタープレイヤー「流川 楓」といった感じだろうか。
おすすめアレンジの「コーヒーゼリー」の紹介もある
豆の色も、これまでの黒い豆よりも、よりさらに黒く見えてくる。
『定番』という優れたバランス感
アイスコーヒーとして淹れるので、氷を使うことを考慮してお湯は100gと少なめにした。もちろん豆の量も15gと通常よりは多めに設定。ちなみに氷の量は100g。
さっそく飲んでみよう。
まず一口含んだときの風味に、爽快感あるコクを感じた。暑い季節に嬉しい飲み心地だ。
コーヒーの味がしっかりと深く味わえるのだが、苦過ぎることなく、堂々としたストレートな潔さを感じるすっきりとした味わいだ。
200gで645円なので、一杯あたり48円という計算。
このコスパは、じつに素晴らしい。
「定番のアイスコーヒー」としてポジショニングされた、絶対的な安定感を有したバランスだ。
アイスコーヒーとなると、得てして苦味や濃さが強い傾向があるのだが、決してその傾向が強ければ良いという訳でもないと思う。
それぞれに、それぞれのアイスコーヒーのパターンがあって良いだろうし、個人的に好みの味わいであるという点で、素直にまた購入したい一品だ。
サマーブレンド
キリっと爽やか!夏にぴったり
暑い季節には冷たい飲み物が嬉しい。
夏の定番とも言うべき「サマー」と謳っているタイトルからして夏のシーズナル商品だ。
「深煎り」のアイコンがある
キャプションには「清涼感のある苦みが心地よい。夏にピッタリのブレンド。爽やかでジューシーな風味が水出しコーヒーにもおすすめです。」とある。
爽快感を感じられる味わいなのだろうか、期待に胸が膨らむ。
ほどよく色づいた茶色
実際に飲んでみよう。
強いコク感はないが、たしかに爽やかな飲み心地で、すっきりとした味わいだ。
これは夏の水分を欲しているときにゴクゴク飲めるコーヒーだ。
ゆっくり一息して涼みながら飲むというよりは、お茶や水といったように気軽に飲めるコーヒーだろう。
こまめに水分補給したい夏にはぴったりだ。
スペシャルブレンド
しっかりとしたコクのバランスタイプ
コーヒーの飲み方として、季節によってもアイスかホットで分かれるところであるが、できればホットで飲みたい派である。
なぜなら、コーヒーの香りを楽しむにはホットがいいし、寒い所で熱々のコーヒーを飲むのが好きだからという単純な理由からだ。
人気No.2というシールが貼られてあるからには、それなりの美味しさがあるのだろうと先入観を抱いてしまうが、まずは素直にコーヒーと向き合いたい。
焙煎はやや控えめ
豆の色からしても、たしかにそこまでの深煎り感はないと言える。
実際に挽いてみると、ガリガリっとしたやや固めの手応えがある。
今まで挽いてきた豆の傾向からすると、浅煎りになっているときに伝わってくる感触だ。
味もスペシャル
実際に飲んでみよう。
若干の酸味があるが、決して強くはなく、ほどよい飲み心地だ。
キャプションにあった「しっかりとしたコク」はそこまで感じられなかったが、柔らかい酸味と重すぎない口当たりのバランス感は素晴らしい。
1杯31.6円でこの味わいは、高評価に値する逸品ではないだろうか。
「スペシャルブレンド」とは「特殊な」ブレンド、というよりは「特別に」日常使いできる豆、というコストパフォーマンスに優れた満足度の高いコーヒーだと感じた。
イタリアーノ
夏の季節はアイスコーヒー用としての豆がショーケースに協調されて並んでいる。
イタリアーノというだけあって、イタリアのなにかをイメージしているのかと思うのだが、生豆の原産国はブラジル・コロンビアだ。
パッケージもなんだが楽しげ
夏のにぎわいを感じるイラスト。
味わいチャートは、全項目ほぼ右よりのフルボディ仕様だ。
上質な心地よい飲みごたえ
豆は、やはりしっかりと焙煎されていて色も濃い茶色。むしろほとんと黒に近いカラーリングだ。
味は、酸味が限りなく少なく、爽やかですっきりとした苦味がある。
後味に来るコク感が、上質な飲み心地を楽しめるのもすごくいい。
決して重くはないのだが、まるで99%カカオのチョコレートをドリンクにしたような風味もある気がした。
イタリアと言えばファッショナブルなイメージもあるが、このコーヒー豆においてもその雰囲気が伝わってきた気もする。
アイスコーヒーで飲んだのだが、個人的にはかなりお気に入りでオススメしたい逸品。
ブラックハロウィンブレンド
10月になると、どこもかしこもハロウィン一色になる。もちろんカルディのコーヒーも例外ではない。
このときは、なにかのセールで特別価格になっていた。
なめらかな苦味と深い味わい
チャートでは、苦み強め、フルボディ、深煎り、と個人的な好みバランスだ。
キャプションには、「ビターチョコーレートを思わせる滑らかな苦味とコクが独自のハロウィン限定コーヒー。ビーベリーのみを使用し、深煎りで仕上げた香り豊かなブレンドです。」とある。
妖艶な雰囲気を醸し出している
仮面メガネをつけている黒い猫のイラストが、ハロウィンの遊び心を表しているパッケージデザインになっている。
これまでの豆と比べると一回り小さい
豆はしっかり焙煎されていて、色艶感からも重厚さを感じる。
やや小ぶりな豆のようだ。
豆を挽いている感じは、やはり焙煎強めだけあって、わりと挽きやすい。
さっそく飲んでみよう
ハロウィンというイベントチックなコーヒーだと思っていたが、その期待は良い意味で覆された。
口に含んだ瞬間、強い香りと存在感あるコクがダイレクトに来たのだ。
苦味もあるが違和感はなく、むしろ奥行きを持たせる引き立て感があるのが良い。
たしかに「ハイカカオなビターチョコレート」のようでもある。
これは傑作だ。
季節商品というと、なんとなく販売期間の限定性を訴求することで、消費者の購入意欲を掻き立てるような安易な手法が散見されるが、これは存分に商品力があるパワーアイテムだ。
秋が深まりつつあるこの時期にはぴったりの飲み心地だ。
来年のハロウィン限定コーヒーが楽しみだ。
ドイトンコーヒー
しっかり深煎りの色をしている
タイ語で「山」を意味する「ドイ」。
ドイ山で栽培されたコーヒー豆ということだろう。
商品カードの目立つところに「香ばしいナッツを感じる深煎りコーヒー」とある。
ナッツの香ばしさとあれば、ローストナッツということだろうか。
大変気になるところだ。
味チャートでは、深煎りで苦め、飲みごたえ感は中間のセンターポジションだ。
キャプションには、「ローストナッツのような香ばしさと、ほんのりスパイシーなテイストが特徴です。バランスよくダークローストで仕上げました。」とある。
さらに想像を掻き立ててくる文言だ。期待感はさらに上昇中だ。
可愛らしいイラスト風のパッケージ
現地の生産者をイメージするイラストだろうか、可愛らしいデザインのパッケージだ。
もともとはアヘン原料のケシの実を栽培していたところに、タイの山岳地帯で暮らす人々の自立支援と自然再生を目的に代替作物としてコーヒー栽培のプロジェクトを発足させたという経緯があるようだ。
現地民の平和な暮らしに対する情熱が詰まっているのだろう。
実際に飲んでみよう
飲み心地はすっきりとしていて、重くもなく軽すぎることもなく、じつに飲みやすい。
たしかにスタンダードな味付けだ。
それでいて、しっかりとしているものの強すぎない苦みもあり、爽快感のある後味だ。
この辺のなんとも絶妙な仕上げにしてくるところが、カルディクオリティだ。
フェアトレード ブラジル ダークロースト
説明書きがたっぷりだ
長いタイトルになっていると、不思議とおしゃれな感じが漂ってくる。
フェアトレードというだけあって、”公平な取引”という意味だろうか。
調べてみると、それは、相場よりも安く買い叩くのではなく、適正な価格で取引・購入することで、生産者の生活を脅かすことなく安心して生産できるよう配慮したもののようだ。
味わいのチャートは、苦みは「強め」、飲みごたえ感は「重ため」、煎り具合は「強め」だ。
チャート表示では深煎りの類なのだが、実際の豆の色はそれほど濃くなく、やや浅煎りの豆に似ている感じがする。
実際に淹れてみると、なにかが違う点に気付いた。
ペーパーフィルターでお湯を注いだときの落ち具合が、ほかの豆と比べてゆっくりなのだ。
コーヒー豆がお湯を含んで、そのお湯がコーヒーとなりドリップとして落ちていくスピードがゆるやかだ。
豆の挽く大きさは変えていないし、ハード面で特にこれといった変更はない。
実際に飲んでみよう
味はというと、それほど苦味が強いわけではないが、ほどよいコクがあり、酸味はほぼ感じられない。
飲みやすいと言えば飲みやすい。
強いて言えば、後味に独特な渋みのような苦味を感じる。
店頭に掲示してあった「ダークチョコの香ばしさ」という表記に、実際に飲んでみて納得感を得た。
たしかにハイカカオのダークチョコを食べているような後味だ。
たびたび、コーヒーはチョコの風味に例えられたり、チョコと組み合わせが良かったりするのだが、あらためて関係性の深さをより感じさせられた逸品だ。
ハッピーホリデイズブレンド
冬の楽しさが溢れ出てくる
『幸せな休日のブレンド』ということだろうか。そんな冬の寒い季節に飲みたくなる一杯。これは買うしかない。
子供の頃の楽しいワクワク感を期待させる
大人にもなると冬は寒いだけで、ただただ年末年始に向けて仕事に追われ、特にこれといった子供の頃に楽しかったクリスマスやサンタクロースのワクワク感は自然と薄れてしまうのだが、こういう心躍るようなキャッチフレーズやデザインは、なぜか惹きつけられてしまう自分にふと気付くときがある。
スイーツに合うコーヒーとしては、深煎りで苦めのテイストが多い印象だったが、これは酸味を効かせた遊び心ある味わいなのだろうか。
一粒一粒が輝きを放っているようにも見える
たしかに焙煎はそれほど強くない色合いだ。商品カードのキャプションにもあるように「スパイシーで爽やかな味わい」というのも気になってくる。
冬を明るく彩ってくれるか
さあ、実際に飲んでみよう。と、その前に、ハッピーホリデイズブレンドのコンセプトを確認しておきたい。商品カードの中央部分に書いてある文言だ。
「きらきらと輝くイルミネーションをイメージした冬限定のブレンド。シトラスピールやスパイスを思わせる爽やかな風味、ボリューム感のある味わいをお楽しみください。」とのことだ。
クリスマスマーケットでよく目にするホットワインの紹介文のようにも思えてくる。ここまで書かれると期待も最高潮だ。
一口飲んでみる。冬の空気のようにキリっと澄んだような、すっきりとした味わいが口の中に入ってきた。たしかに、この爽やかな酸味は絶妙だ。それでいて飲みごたえ感のある後味もうれしい。ホットワインのように寒い中で熱々のコーヒーを飲む、そんなシーンにぴったりの逸品だ。カラダもポカポカにあったまってくる冬限定のブレンドは、記憶に残るくらい楽しげな味わいだった。
ブラジル
気配を消してやいないだろうか
数あるコーヒー豆の中で、これでもかと言わんばかりに存在感を消す逸材。「ブラジル」だ。商品カードやネーミング、キャプションや豆の色に至っても特にこれといって特徴があるかと言えば、目立つ要素は一切ない。しかし、そんな地味でありながらも常に商品ラインナップに並び続ける理由は一体なんなのだろうか。隠れた魅力に迫ってみたい。
スタンダードなポジショニング
チャートの位置は、ほんの浅煎りである他は中央値という、基本中の基本とも言えるド真ん中スタイル。「ブラジル」という一切飾ることのない堂々たるネーミングからも、ベーシックな基品を感じる。
クラシックな風合いだ
ブラジルと言えば、コーヒー産地の大国だ。じつに世界中のコーヒー豆生産量の約3分の1を占めるというから、その実力は誰もが認める所以だろう。味や香りのバランスも高く評価されているようで、その点からも世界基準のクオリティなのだろうか。
実際に飲んでみよう
スタンダードな豆とはいえ、ほかの商品と比べると価格はスタンダードというよりは、やや高い印象だ。200gで896円なので、1杯(12.5g)あたり56円だ。
一口飲んでみると、まず感じるのは、かなりさっぱりとした爽やかな味わいだ。苦みと酸味が均一に来る感じで、たしかにバランスという点ではこれ以上の調和を生み出すのはなかなか難しいかもしれない。
ブラジルというと勝手にサンバをイメージしてしまっていたので、ちょっとスパイシーだったり、どこか楽しげなカーニバルを演出したテイストなのかと早とちりしてしまったが、そこはやはりクラシックなコンセプトを崩さないスピリットに拍手を送りたい。
焙煎がそれほど強くはないので、ホットコーヒーで楽しむのにぴったりだと感じた。