【実食レポ】有名老補店「なると」の若鶏半身揚げ

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小樽の味を求めて

なるとの半身揚げと聞けば、地元のみならず鶏専門店関係者では言わずと知れた名店中の名店である。鶏に関わる業界人なら一度は訪れたことのある老舗ベンチマーク店であろう。北海道は小樽市、JR小樽駅から徒歩7分ほどのところにその名店はあった。小樽運河も近く、観光地としても季節を通じて人気の土地なのが風情溢れる街並みから感じ取れる。

創業60年を迎え、いまもなお当時の味を守り抜き、仕入れも変わらぬ国産鶏というこだわりようだ。30年前に実際に食べたあの味を忘れられず、今またあの当時の光景を思い出しながら舌鼓を打った。

時代とともに遂げる『変化』と『守り』

時を経て「なると」も変化を遂げていた。まずは、創業者の実孫がのれん分けという形で「なると屋」という屋号で店舗を展開していた。北海道内に24店舗ほどを運営しているようだ。さらには、「なるとキッチン」という屋号で東京にも進出している。創業の味を守るというのは、並大抵のことではない。支店が増えれば増えるほど味や品質にブレが生じる。これが俗に言うチェーン展開の落とし穴だ。まさに「言うは易し行うは難し」だ。ただでさえ、同じ北海道内での味を守ることでさえ困難を要する。にも関わらず、東京にまで手を広げるとなると、それはもう目の届かない範疇に達してしまうのではなかろうか。

この「なると屋」は、お店に足を運べない方のために、通販でも販売しているようだ。自宅に居ながら本場小樽の味を楽しめるのは嬉しい。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

北海道小樽市★なると屋 若鶏の半身揚げ(真空パック)×1P
価格:1000円(税込、送料別) (2022/4/3時点)

通販の商品を実際に頂いた【実食レポ】もあるので、あわせてご紹介しておこう。

【実食レポ〖通販編〗】なると屋 若鶏半身揚げ・手羽先さんぎ・ももざんぎ

 『味』から蘇る記憶

渋谷駅を降りて5分程歩くとその店はある。大通りから一本中に入った道を進むと、赤い背景に黒字で「NARUTO KITCHEN」と書かれた文字が目に入った。なるとキッチンだ。店内での飲食もできる居酒屋タイプのお店のようだ。メニューを見ると、メインの若鶏半身揚げもしっかりと載っていた。アルコールメニューの中に北海道ならではのドリンク「ガラナ」を使ったメニューもあった。もちろん、ソフトドリンクとしての販売もあった。そんなメニューの作りからしても、やはり北海道から生まれたお店なのだとわかる。

北海道限定で展開しているドリンク「ガラナ」。コーラと似ている見た目だが、味は一線を画している。独特の風味がありながら、さっぱりとした爽快感があるのも限定感を促している。これも今やネットで購入可能だ。以下に紹介しておこう。北海道物産展やアンテナショップでは購入できることもあるが、基本的には北海道でしか手に入らなかったものだ。自分用でもいいし、ちょっとしたプレゼントにも珍しがられること間違いないだろう。

さっそく、若鶏半身揚げを注文する。もちろんテイクアウトだ。会計を済ませると、「こちらに掛けて少々お待ちください」と促される。椅子に座り待っていると、すぐに熱いお茶を出してくれた。もちろんサービスだ。5分ほど待ち、注文の商品の準備ができたようだ。店員から、「電車乗りますか?」との問いに、「乗ります」と答えるとビニール袋を縛って二重にしてくれた。揚げ立てということもあり、半身揚げの良い匂いが漂ってしまうことを懸念してくれてのことだろう。気の利いたサービスもまた商品の期待を増幅させる。

一時間ほど電車に揺られ、自宅に到着。さっそく実食だ。と、その前に温め直しの手順を確認しておこう。

テイクアウトの商品受け取りの際、店員から「温め直しの方法が書かれた紙を入れておきますね」との一言があった。その紙を取り出し、オーブントースターを温め始めた。アルミホイルを敷き、半身揚げを乗せて加熱開始。

5分ほど温め、器に移して、いざ実食だ。

一口食べて、それは驚きの味わいだった。まず、肉が柔らかいのだ。半身揚げとは、そもそも鶏肉の素揚げだ。にも関わらず、中までしっかりと柔らかい。これには、とても驚きだった。そして次に、その味だ。ある程度、調味液を馴染ませて味付けしてあるのかと思いきや、その予想は大きく覆された。シンプルに塩味である。余分なスパイス類の味もとくにこれといって感じることはなかった。これは確かにあの当時の味だった。懐かしい思いが目の前で走馬灯のように甦った。

この半身揚げだが、1個1,080円(税別)。揚げ後の重量は約400g。そのうち、可食部は340gほどであった。

小樽の味が東京でも味わえることを考えると、値段の割に安く感じたのが正直な感想だった。本場小樽での味を一度も味わった事の無い方にとっては、もしかしたら比較対象が無い分、分相応に感じるのかもしれない。ただ、ひとつ言えることは、テイクアウトで一時間経過し、さらに温め直したにも関わらず、あの柔らかさは価値を感じた。

渋谷店では、ポイントカードの販売促進も実施していた。500円毎の会計で1つ捺印ということなので、10,000円分を購入すると半身揚げが1つプレゼントということだ。簡単にいうと10,000円まで購入すると、10%還元しますよ、という内容である。途中で、スタンプを10個ためると、「ももorむねのザンギ」を1個プレゼントしてくれるらしい。

リピートの購入を狙うよくある販売促進の一環なのだが、このサービスの有無に関わらず、リピーターになりそうな予感がした。

NORTHMAN

趣味:煎餅(米菓)の食べ比べ 得意なこと:ひとり遊び 愛読書:JAF MATE 好きな食べ物:季節全般のフルーツ

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