【実食比較!!】いちご11種食べ比べレポ

最終更新日

果物の中でもひときわ人気のある「いちご」。スイーツにはもちろん、さまざまなお菓子や料理にも使われ、その可能性は無限大。世界中でも食べられている苺だが、生食での消費は日本が一位とも言われるほど。日本のいちごは約300種類もあり、世界全体の品種の半分を占めるほど多種多様に存在する。

一部生産者の中には、「お菓子専用のための苺」を専門的に研究していたりもするほどだ。そんな苺好きな方へ向けて、下記リンクに紹介しておこう。

苺スイーツ専門ブランド【完熟いちご菓子研究所】

いまもさらなる改良や研究が重ねられ、どんどんと新しい品種が生まれている。そんな苺について産地や種類を食べ比べ、甘さや酸味、硬さや柔らかさ、ジューシーさや大きさなどそれぞれの特徴をまとめ、個人的な感想も含めてレポートにしてみた。

スーパーや八百屋さんで買うも良し、いちご狩りに出掛けてみるも良し。目当ての苺を買いに行く際や、実際に食べるときの参考にしてみてはいかがだろうか。

いちごさん(佐賀県産)

苺の品種としては日本国内だけでも300種ほどあり、日々品種改良が行われてはそれぞれ特徴的なネーミングが付けられているが、この品種については「いちごさん」という極めてごく平凡な名称でありながら、逆に斬新さを感じるインパクトを放っている。佐賀県の農業試験研究所にて7年もの歳月をかけて開発され、研究に研究を重ねて生まれた品種。約15,000株もの苺の中から選抜され、「佐系14号」と「やよいひめ」の交配種だ。

見た目はとても濃い真っ赤な色で、とにかく甘く熟してそうなビジュアル。大きさも一口サイズで可愛らしく、絵に描いたような綺麗な形だ。ケーキのトッピングやスイーツの飾りにはぴったりだ。果皮は柔らかめで繊細な印象。味はまろやかな甘さとやさしい酸味のバランスが素晴らしい。品質の高さを感じる苺。「いちごさん」専門のホームページも存在し、キャッチコピーは「眺めてうっとり、かじって甘い」。

品種名の由来は、「長く愛される苺となることを願って、呼びやすくて覚えやすい、清々しさとインパクトを合わせ持つ名前」ということで命名されている。

さぬきひめ(香川県産)

正式名称は「さぬき姫」という漢字が入る表記だが、スーパーや八百屋で表記されるものは平仮名での表記が一般的。「三木2号」と「さがほのか」を交配して完成された苺。品種登録は2009年。「三木2号」は「さちのか」と「とちおとめ」の交配種のため、有名3品種の優れた味わいを持つ。

果皮は柔らかめで甘みが強い苺。後味に感じる爽やかな酸味が、全体に深みを持たせている味わい深い一品。大粒で丸みを帯びたフォルムも、ふくよかな優しさを感じる。

スカイベリー(栃木県産)

大粒で贈答用にも選ばれる存在感あふれる苺。その大きさや見た目の美しさ、おいしさが空高くまで届くようにという意味が込められ命名された苺。品種登録は2014年。一粒一粒が大きく、程よい酸味と甘みが食べやすい。ゴージャスな見た目もさることながら、まろやかな味わいが楽しめる満足感ある一品。

とちあいか(栃木県産)

栃木県としては10番目のオリジナル品種として登録された苺。品種登録は2020年だが、2019年より生産・出荷が始められ、当時は「栃木i37号」という名称で流通している。栃木県といえば「とちおとめ」や「スカイベリー」が有名だが、この「とちあいか」が加わったことで、3品種を栃木県の主力商品としてシェア拡大を目指している。

「愛」される「とち」ぎの「果」実に、という意味が込められて名付けられた苺。

果皮はしっかりとした歯触りを感じながらも、たっぷりの果汁感を感じる酸味が少なめな苺。ヘタの付け根が窪んでいるため、縦半分にカットするとハート形になることから、ケーキやスイーツ類の盛り付けにも人気。

きらぴ香(静岡県産)

果皮がしっかりとしていて名前の通り煌びやかな艶がある眺めの円錐形をした苺。

シャキッとした食感が特徴的で、甘さは控えめでさわやかな酸味の味わい。

クレープやパフェなどクリームのボリュームが多めのスイーツによく合う一品。

2017年に品種登録された静岡県産の苺。何度も交配と選抜を繰り返された品種で、同じ静岡県産の「紅ほっぺ」や「章姫」を継承している研究に研究を重ねて作られた苺。

朝香(あさか)(栃木県産)

甘さ控えめで酸味がやや強い爽快感のあるジューシーな苺。

粒が大きく、果肉もしっかりとしていてすっきりした味わいが特徴。艶のある自然な赤い色が健康的。ケーキやスイーツの味を引き立てながらも、苺の味わいも感じさせてくれる一品。加工用としても向いている。

「幻のいちご」と呼ばれ、栃木県以外では青森県の田舎館村(いなかだてむら)の限られた農家でしか作られていない大変数少ない苺。

「アイベリー」と「女峰」を交配させたものに、さらに「アイベリー」を交配させて作られた品種。

アイベリーも女峰もどちらも大粒な品種。

恋みのり(長崎県産)

爽やかな甘みで、酸味が少なくジューシーな味わい。果肉は柔らかく、春のやさしい息吹を感じる苺です。やや薄赤色なルックスが自然のやさしさを感じさせてくれる。甘さ控えめで、さっぱりとした後味が印象的。

果肉は白く、まるで「純白の恋が叶うように」と願いが込められているような一品。

「03042-08」と「熊研い548(ひのしずく)」を交配して作られ、母親の03042-08は粒が大きく収穫量が多い早生種。父親のひのしずくも大粒で味のバランスが良い。

さがほのか(長崎県産) ※品種登録は佐賀県

香りが豊かで爽やかな甘味があり、酸味は控えめでジューシーな味わい。艶のある赤色がきれいで、果肉は白。形はしっかりとしているものの、果肉は柔らかくやさしい食感。春の恵みをたっぷりと感じられるクセのない一品。

さっぱりとした風味があるので、ケーキ用にはもちろん、加工用にも向いていると思います。果肉が白いのでケーキのトッピングには、カットせずに丸ごとのままが良いだろう。

女の子に人気のお人形「リカちゃん」をイメージキャラクターに採用されており、みんなに愛されるリカちゃんのように、いろんなシーンに合う苺。

「大錦」と「とよのか」を交配して作られ、2001年(平成13年)に佐賀県で品種登録されている。

あまおう(福岡県産)

真っ赤な色で煌(きら)びやかな艶が特徴の苺。とくに甘みが強く、爽やかな酸味もあって、全体的にバランスの良い味わい。苺が凝縮されたような濃い味わいが楽しめる。一粒の存在感があり、ケーキや加工用としても合うだろう。

果肉がしっかりと詰まっていて果汁も多く、「甘い苺の王様」の名にふさわしい一品。

あまい、丸い、大きい、うまい、の頭文字を取って名付けられた。

「久留米53号」と「92ー46」を交配して作られ、品種名は「福岡S6号」と言い、「あまおう」という愛称は登録商標で、2005年(平成17年)に品種登録されている。

べにほっぺ(茨城県産)※品種登録は静岡県

一粒の大きさがどっしりとしていて重量感があり、一個でも十分な満足感がある。そんな一粒のサイズが大きい苺ですが、口に入れるとジューシーな果汁が溢れるほど潤いがあり、甘みが強く、酸味は弱い苺。

一粒の苺でも『一品のデザート』として完成されているかのような存在感を感じる。まさに食後のデザートとしてはもちろん、おやつの時間にも良いでしょうし、さらには寝起きの朝やお風呂上りの水分を補う一粒としても是非頂きたいところ。さまざまな場面で登場するにふさわしいそのクオリティは、まさに『ほっぺが落ちそうなほど美味しい』ネーミングの通りなのだと実感した。

とても柔らかくて食べ応えのある苺なので、ケーキ用や加工用として使うにはもったいない。

水分もたっぷり含まれている苺のため、やはりそのまま苺本来の味わいを堪能したいところだ。

もともとは静岡県の登録品種で、「章姫」に「さちのか」を交配して作られており、2002年(平成14年)7月に品種登録されている。とても人気の品種で、各地でも栽培されるようになり生産量が増えてきている苺。

やよいひめ(群馬県産)

たいへん柔らかい食感で、口に入れると溶けるような瑞々しい苺。酸味が少なく、すっきりとした甘さが印象的。決して主張せず控えめで優しい味わいが慎み深くもあり、まるで謙虚な果実に成長したかのようにも思える。画像では伝わりづらいのが残念でもあるのだが、薄い赤色がとても綺麗で、まさに「春のお姫様」にふさわしい一品。

やはり、そのまま頂くのが最も美味しいのだが、ケーキやスイーツにも抜群に合う一品。

「とねほっぺ」と「とちおとめ」の交配種にさらに「とねほっぺ」を交配して作られた品種で、2005年(平成17年)1月に品種登録されている。

とちおとめ(栃木県産)

全国的にも最も多く生産されている品種。粒の大きさは大小のばらつきはあるものの、平均すると一口サイズのものが多い。シャキッとした歯応えのある爽やかな苺で、甘みと酸味のバランスがとれた味わい。べにほっぺに比べるとジューシーさは劣るが、その分、果肉がしっかりと締まっていて苺の味がぎゅっと詰まっている苺。

形がしっかりとしているので、ケーキ用や加工用にも向いていて、どんなシーンにも活躍できる万能選手。

「久留米49号」に「栃の峰」を交配して作られた品種で、1996年(平成8年)11月に品種登録されている。

NORTHMAN

趣味:煎餅(米菓)の食べ比べ 得意なこと:ひとり遊び 愛読書:JAF MATE 好きな食べ物:季節全般のフルーツ

シェアする