冬を楽しむコツ③ ~冬の空からの『贈り物』~
『星の世界観』を楽しむ
地球から見える星。
それは、だれでも見ることの出来る、壮大な世界観のある空からの贈り物です。
冬の晴れた夜には、きらきらととても綺麗に輝く星を見ることができます。
じーっと見ていると、ほんとうに「きらきら」と輝いているんですよね。
まるで、夜空に散りばめられた宝石のようです。
『冬は星が綺麗に見える』と良く言いますが、これはあながち間違っていないのです。
冬に星が綺麗に見える理由はというと・・・
(1)空気が乾燥している
水蒸気が多いと景色が霞んで見えますよね。
それと同じで、空も透明度が下がります。
乾燥している冬は、大気の透過率が高く、四季の中で一番きれいに星を見ることが出来る季節なのです。
(2)夜の時間が長い
冬は、日の入りの時間が早く、日の出の時間が遅いので、暗い時間が長くなることになります。
その分、星を眺める時間が広がりますね。
(3)星の『瞬き(まばたき)』
星が「きらきら輝いて見える」ってよく言いますよね。
これって本当なのです。
星がきらきら輝いて見える理由は、星の光が大気層を通過するときに、大気の密度の違いによる揺らぎからなのです。
これは、気温が低く、湿度も低いとき、つまり冬に顕著に現れます。
(4)一等星の星が多い
星には、明るさを表す等級があります。
1等星から6等星まであり、最も明るく見える星を1等星、目でぎりぎり見える明るさの星を6等星とランク付けされています。
そして1等星は、6等星の100倍の明るさを持つ星なのです。
1等星は全部で21個あり、日本では1年間に15個の1等星を見ることができます。
春には3個、夏には4個、秋には1個、冬には7個もの1等星が見られるので、冬の夜空は明るい星が目立ちます。
冬の代表的な星『オリオン座』
冬には、代表的な『オリオン座』を見ることができます。
まだ夕暮れの暗くなりかけた時間からでも、南の空で見ることができます。
オリオン座の左上にある星が、ベテルギウス。
右下にあるのが、リゲルという星です。
ベテルギウスは、表面温度が3800℃。大きさにして太陽の500倍以上もある赤色超巨星です。
リゲルは、表面温度が1万℃。大きさは太陽の約70倍ですが、明るさは4万倍もある星です。
でも、星ってどのくらいの距離のところにあるんだろう・・・。
そもそも、なにでできているんだろう・・・。
と、いろんな疑問がわいてきます。
地球から見る星の距離は、なんと400光年。
1光年が、約9.5兆キロメートル。
そうすると、400光年=約3800兆キロメートル、ということになります。
想像を超える距離ですね。
とにかく、とっても遠いということがわかります。
そして、けっこう温度が高くて熱い星だということがわかります。
星ってすごいですね。
オリオン座の神話を知ると、より星座の神秘や美しさを感じながら、星を見ることができるでしょう。
オリオン座の神話
オリオン座は、ギリシャ神話に登場する狩人の「オリオン」がモデルになっています。
オリオンは、右手には退治したライオンの毛皮を持っていて、左手には太いこん棒を振りかざしている姿をしています。
優れた狩人のオリオンは、月の女神「アルテミス」に恋心を抱かれていました。
しかし、アルテミスの兄である太陽神「アポロン」は、そのことを気に入らず、策略によってアルテミスの手でオリオンを射殺させてしまうことになってしまうのです。
このことを深く悲しんだアルテミスは、『私が銀の馬車で夜空を走っていく時、いつでもオリオンに会えるように彼を星座にしてください』と全知全能の主神ゼウスに願い出ました。
ゼウスはアルテミスの願いを叶え、オリオンは星座となったのです。
そして、そのすぐ近くを『月』が通り過ぎていくようになったというわけです。
『神話』という新たな発見
良く晴れた冬の空には、このようにそれぞれの「神話」がある星をたくさん見ることができます。
そして、その星をよ~く見てみると、きらきらといろんな色に輝いているのが見られます。
ぜひ、冬の晴れた夜には星を眺めて、冬の空の荘厳な世界感を味わうのも、また新たな発見があって良いですね。
このように、冬には他の季節では見られない綺麗な夜空をたくさん見ることができますが、寒さも一番の季節となります。
星を見る際は、風邪を引かないように暖かい服装で出掛けて見てくださいね。