果物好きの『いちご』の食べ方
春の恵みを味わう
春が近づいてくると真っ赤な宝石のように八百屋さんやスーパーの青果売り場に並べられる苺。この時期は、いろんな産地や品種のいちごが最も楽しめる季節です。そして、この時期にだけ楽しめる『いちご狩り』。そんな一年かけて作られる苺は、春の季節がもたらしてくれる恵みと言えるでしょう。どこのお店でも売っている苺ですが、八百屋さんやスーパーのいちごでは味わうことのできない美味しさを、ぜひ『いちご狩り』で体験してみてはいかがでしょうか。
苺の食べ方・洗い方・保存
近頃のいちご農家では、さまざまな品種を扱っているところがほとんどです。いちご狩りは関東だと主に1月から5月初旬まで行われていて、その時期によって食べられる品種を変えていたりします。どの品種が食べたいかは、その日のお楽しみで訪れるのも良し、または目当ての品種を求めて訪れるも良し、ということで何度行っても楽しめるのもまたいちご狩りの良いところですね。ビニールハウスで栽培されているので、多少の雨でも楽しめます。
ところで、いちごの美味しい食べ方って知っていますか?
練乳をかけて食べる方も多いと思いますが、なんといっても苺本来の味を楽しむには、なにもかけずにそのままで食べるのが一番です。店頭で売られている苺の場合は、水洗いをしてから食べるかと思いますが、水洗いは食べる直前にするのが良いでしょう。苺は水分をたっぷり含んだ果物なので、水洗いのときのその水分が残っていると、とくに底の部分が痛みやすくなってしまいます。ヘタも付けたまま洗い、食べる直前に取りましょう。冷蔵庫で保管する際は、乾燥しないようにラップなどをして保存すると美味しく食べられます。それでも繊細な苺は日持ちがしませんので、購入したらできるだけ早めに食べるのが良いでしょう。
苺の選び方
さっそく、どんな苺が美味しいか見極めのポイントをまとめておきましょう。いちご狩りに出掛けたら、ぜひ以下のポイントをふまえて選んでみて下さい。きっと、いちごの美味しさの違いを実感でき、より楽しいいちご狩りになることと思います。
①ヘタが瑞々しく、乾燥していないこと
ヘタの緑色が鮮やかで、ピンと張りがあるものが良いでしょう。鮮度が落ちてくると、ヘタがしおれてきて、苺も干からびてきます。
②全体が赤く熟していて、ヘタの近くまで赤いもの
ほとんどの品種の場合、苺は熟してくると赤く色づいてきます。ヘタの近くまで真っ赤に色づいているものを選ぶと良いでしょう。艶があり、表面に産毛(うぶげ)のようなものが残っているものを選ぶと良いでしょう。
③ぷっくりと膨らんでいるもの
いちご狩りで栽培されているものは、生きています。スーパーで売られているものと比べると一目瞭然ですが、いちご狩りで獲ってすぐに食べる苺は、表面の水分が断然違います。とても瑞々しく、触ると表面が柔らかいのがわかるでしょう。やさしくそっと触らないと、表面の皮が破けてしまうほど新鮮です。苺は糖度が増すと、ヘタの近くの表皮にヒビが入ってきます。このような苺は完熟した証拠。まず店頭には並ばない貴重な苺です。もし見つけたらぜひ食べてみて下さい。
果物好きの苺の食べ方
さいごに、苺を最も美味しく味わう食べ方をご紹介したいと思います。
いちごは、先端の方から育っていき甘さも強くなります。食べるときは、ヘタに近い元の方から食べていくと苺1個を食べたときに最も美味しく食べられるでしょう。ヘタに近い部分は酸味も強く、軸のようにやや硬くもあります。一般的にはこの軸の部分を包丁の先でえぐるように切り取って食べる方法が紹介されていたりします。
ですが、その軸のような部分も『いちご』であることに変わりはありません。やや酸味が強く、やや硬い部分かもしれませんが、いちご農家の方々が一年ものあいだ寒い季節も暑い季節も一生懸命に苦労して作られたことを考えると、無駄にはできないですよね。
それに、一生懸命に育ってくれた苺にも感謝の意を表して食べたいと思います。
とりわけ、糖度などの甘みが果物の価値の指標の一つとして値段にも反映されていますが、果物には『甘みと酸味のバランスを楽しむ』食べ方もあると思います。それぞれの果物が持っている爽やかな酸味は、自然のものでしか味わえない『唯一の楽しみ』ではないでしょうか。
春の季節がもたらしてくれる恵みに感謝しながら、これからも苺を味わっていきたいと思います。