雪で飛行機が欠航になったときの対処法とは
冬の旅といえば、雪まつりや温泉、スキーやスノーボードなど、遠隔地へ行くのに飛行機を使った旅行を計画する方も多いと思います。
年末年始を地方で過ごしたり、ウインタースポーツを楽しんだりと、飛行機は私たちの行動範囲を拡げ、気軽に遠方への旅を可能なものにしてくれます。
そんな冬の旅ならではのトラブルといえば、なんといっても雪は避けられないものです。
搭乗予定の飛行機が欠航になった時は、振替便や翌日の便なども検討しなければなりませんし、もしかすると旅行自体の延期も検討しなければならなくなるかもしれませんよね。
旅行の日程や計画も崩れてしまいますので、少しでも早い対応をしたいものです。
そんな突然の大雪で飛行機が欠航になったときの対処法や、できるだけ欠航を避ける具体的な対策をまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみて下さい。
雪で飛行機が欠航になる基準とは
雪の影響による欠航の基準は、「積雪の量」と「雪の質」で分類されています。
その分類の内容とは・・・
①積雪1.3cm以上で水あるいはSlush
②積雪5.1cm以上のWet snow
③積雪7.1cm以上のDry snow
④積雪15.3cm以上のDry snow
となっています。
ちなみに、雪質の状態ですが
Slush:水分を十分に含んでいて蹴ると水しぶきがあがる状態
Wet snow:水分を多く含んでいて握ると水が出てくる状態
Dry sonw:乾いていて降ってからあまり時間が経っていない状態
となっています。
これらの基準のほか、突然の大雪や吹雪などで除雪に時間がかかる場合も、欠航となる可能性があります。
また、機体の翼に雪が積もってしまった場合にも欠航になる可能性があります。
飛行機は、翼の上を流れる空気(風)によって機体を持ち上げようとする「揚力」を発生させます。この揚力を得ることで飛行機を飛ばすことができるのですが、翼に雪が積もってしまうと翼の形も変わり、翼の上を流れる風の向きも変わるため、必要な揚力を得ることが出来なくなる恐れがあるのです。
最終的に欠航の判断をするのは
飛行機を飛ばすためにはとても沢山の方々が関わっています。
飛行機の整備を行う方々や、地上で運行を支援する方々、管制塔で飛行機の離着陸などの順番や交通整理を行う方々、飛行機を操縦する機長と副操縦士、客室の安全を担当する客室乗務員など、様々な役割を担う方々によって運行されています。
その中で最終的に飛行機を運行するかしないかの判断は、機長の判断に委ねられることが多いです。
航空会社によっても、その判断は微妙に変わってきます。
例えば、JAL(日本航空)では運行管理者という運行全体を管理する責任者がいて、オペレーションコントロールセンターというところで全ての飛行機の運行を監視しています。
このオペレーションコントロールセンターの最高責任者であるミッションディレクターによって、天候による影響を多角度から考慮して安全に運行できるかどうかを判断しています。
雪が降っていると視界も悪く着陸の際に滑走路が見えづらかったり、風が強いと離陸や着陸の際に機体に与える横風の影響が大きくバランスを崩しやすかったりと、安全を優先した運行をするためには守らなければいけないルールがあります。
視界不良による欠航の基準は、航空会社によって基準が定められていますが、実際に飛行機を操縦するのは機長や副操縦士ですので、飛行の経験や技術によっても多少の違いはあります。
ですので、他の便が飛べても自分が乗る便が欠航になるなんてこともあり得るのです。
しかしながら、機長や副操縦士を含むすべての航空関係者は、できるだけ飛行機を飛ばそうと最善を尽くしておりますので、万が一欠航となってしまった場合は、泣く泣く判断をしているのだということですね。
飛行機が欠航になったときの対処法
天候や機材トラブルなどで飛行機が欠航になることは、滅多にあることではありません。
しかしながら、急な悪天候などで万が一欠航になった際は、自然の力には逆らわず慌てずにスムーズな対応が取れるとその後の旅行の計画や対応に余裕が生まれるでしょう。
これから飛行機に乗って目的地に行く場合の「往路」と、帰りの「復路」での欠航によっても旅の計画や対応が変わってくるかと思います。
北海道の空 AIR DO(エアドゥ)の場合を参考に記載しておきます。
【台風や雪などで欠航になった場合の変更・払戻】
台風や雪などの不可抗力によって、搭乗予定便が欠航となった場合の取り扱い
①旅行を中止する場合
未搭乗区間分の航空券は、取消手数料、払戻手数料を全額払い戻ししてもらえます。
・予約変更可能な運賃に払戻期限:航空券の有効期限の翌日から起算して30日以内
・予約変更不可の運賃の払戻期限:搭乗予定日の翌日から起算して30日以内
②旅行を延期する場合
航空券の有効期限の翌日から起算して30日以内の同一区間の便に変更が可能
※各航空会社によって、変更・払戻の期限や方法が異なりますので、詳細を下記にご案内しておきます。
できるだけ欠航を避ける具体的な対策
自然の力にはどうにもこうにもならないのが現実ですが、できることならせっかくの旅行を最大限楽しみたいものですよね。
悪天候によって旅行の日程を変更したり、旅行自体を延期せざるを得なくなったりすることは避けたいもの。
計画通り進められるよう、事前にできることを以下にまとめてみました。
是非、すてきな旅ができますように。
①天気予報を見ておく
これは、3か月予報などの長期的な予報を調べておくことで先々の大まかな天気予報の傾向を把握しておくことができます。また、週間予報などで短期的な予報を調べておくことで、1週間先くらいの直近のほぼ正確な予報を知ることができます。
ただ、飛行機の予約は1か月前や2か月前など、かなり前から予約していることが多いと思いますので、天気予報だけでは限界があるので、あくまで補佐的な情報として捉えておきましょう。
②過去の天気を調べる
これは実はかなり使えます。
前年の天気(過去の実績データ)を調べておくことで、ある程度の予測が立てられます。
※筆者もこれをけっこう使ってて重宝してます。
全国の過去の天気と気温は以下から調べることができます。
例えば、旅行を計画したいと思っている日を決めたら、前年の同じ日の天気や気温を前後2週間程度調べておくと、かなり近い予測が立てられます。
トラブルは最高の旅の思い出
誰しも、できればトラブルなく計画通りの旅をしたいと思いますが、そんなトラブルも後になってみれば思い出深い笑える貴重な思い出になっているのではないでしょうか。
思い返してみると、その時は大変な思いをしていたかもしれませんが、あれもこれも結果良い思い出になっていますよね。
案外思い出深い旅とは、そんなトラブルがつきものだったりはしないでしょうか。
旅を楽しくするも、苦しくするも気持ちや考え方の持ちよう次第。
旅行というゴールのある冒険を楽しみたいものですね。