今年は美味しいお餅を食べよう!!
もちっと美味しい「お餅」。
なーんてダジャレを言ってしまいましたがm(_ _)m お餅って本当に美味しいですよね。
とくにお祝い事やお正月には欠かせないお餅ですが、冬が近づいてくるとスーパーやお店には沢山のお餅が売られる光景が見られますね。
また、もち米を搗(つ)いて作るお餅は格別に美味しいです! とくに搗きたてもお餅は何もつけずにそのままでも絶品ですね。
まさに素材の味を堪能できる食べ方ではないでしょうか。
冬になると無性に食べたくなります!
いろんな食べ方があるお餅。
今日はそんなお餅のあれこれをまとめてみました。
おいしい「もち米」ができるまで
もち米ができるまでには、まだ雪解け前の2月頃から始まり、収穫の9月頃までもかかり、農家の方々の渾身の思いがこもった努力から生まれます。
私たちの口に入るまでには、様々な方々の努力や思いが詰まっているのですね。
2月 融雪剤の散布
冬も真っ只中の2月。田んぼは見渡す限り一面がきれいに雪景色となります。
冬にしか見られない自然の絶景です。
こんもりと雪が積もっている田んぼに、少しでも雪解けを早めるために融雪剤を撒きます。
融雪剤は黒い色をしているため、作業をしていると顔や体中が真っ黒になってしまうほどです。
田んぼに融雪剤を撒き終えると、辺り一面は黒い色をした田んぼへと様変わりします。
そんな景色を眺めていると、今年の農作業が始まるんだなと実感します。
3月 ハウスづくり(育苗ハウスの除雪)
もち米の苗を育てる為の「育苗ハウス」を作ります。
まだ雪の季節では、ビニールハウスでもち米の苗を育てていきます。
雪が降るとビニールハウスが雪の重さでつぶれる恐れもあるので、真夜中でも雪下ろしをすることがあります。
4月 種まき・育苗
まだまだ寒い日が続く4月。最低気温は氷点下の日もあります。
そんな寒い日でもビニールハウスの中は20℃ほどの温かさ。
もち米の種まきや植え付けは腰を曲げて行うため、かなりの重労働となります。
また、芽が出ると温度管理や水量の管理なども行いながら、細かく管理を徹底しながら手塩にかけて作られていきます。
この最初の段階からしっかり細かく管理をして苗と向き合い、気持ちを込めて育てていくことで美味しいもち米に育っていきます。
5月 田んぼ作り
もち米が育つ土台となる「田んぼ」
肥料を散布したり、田起こしをして水を張ったり、土を細かく砕いて丁寧に掻き混ぜていきます。
このようにして土を平らにして、苗を植えやすくします。
また、苗が気持ちよく育つことができる効果もありますね。
5月~6月 田植え
気温も少しずつ上がって暖かくなってくる季節です。
いよいよ田植えの時期になりました。
農家にとっては、この時期が一番忙しくなります。
「育苗箱」と言われる箱を機械に積んで、苗が乾燥しないように注意しながら田植え機で苗を植えていきます。
機械で田植えが出来ていない箇所や欠損箇所には、直接手で植えていく「さし苗」を行います。
6月~9月 防除作業、出穂
苗が育ってくると稲の茎の根元から新しい茎がどんどん生えてきます。これを「分けつ」と言います。
田植えをした段階では、1株3~4本の稲ですが、20本ほどまで増えていきます。
茎がしっかりと太く伸びているものほど、美味しいもち米になる傾向があります。
また、この時期には「いもち病」という稲の病気が発生することがあります。
いもち病の菌が葉に付着すると葉が枯れたり、穂に菌が付着すると籾の稔実に影響が出てもち米の品質低下を及ぼします。
毎日、田んぼを見回りして稲が病気になっていないかどうか見て回ります。
また、炭を作るときに出る「木酢液」という副産物を農薬の代わりに使います。
この木酢液を散布することで、除草や除菌・抗菌といった効果があるため、稲が病気になるのを防ぐ働きがあります。
こうして稲が無事に成長していくと、茎の中で籾の集合体である穂が作られていき、やがて茎の中から穂が出てきます。これを「出穂」と言います。
出穂をすると稲は葉で光合成をして穂に栄養をどんどんと蓄えていきます。
こうして籾が登熟し、稲が全力を使い果たすと稲が枯れていき、きれいな黄金色になっていきます。
9月 収穫
いよいよ収穫のときを迎えます。
実りがピークに達しているか・・・。あと一日収穫を待って明日の方が良いのか・・・。
など収穫の絶好の判断を下します。
収穫は稲の刈り取りと穂先から籾を分離する脱殻を同時に行うコンバインという機械で行います。
脱殻された籾は、その日のうちに乾燥機で乾燥させます。
精米 ~完成~
精米をしてついに完成となります。
もち米はうるち米と違いきれいな白色をしています。
お餅の食べ方
搗(つ)きたてのお餅はそのまま食べても本当に美味しいですよね。そうはいっても、なかなか搗(つ)きたてお餅を手に入れるのは難しいもの。そういうときはスーパーなどで売られている乾燥した切り餅でも、熱を加えると十分お餅の美味しさを味わうことができます。
切り餅は、焼くと香ばしい風味が口いっぱいに広がって、表面はパリッと中はもちっとした食感で、お餅の美味しさを味わうことができます。
また、煮てもとろーっと柔らかくなって、つるんとした食感になります。
油で揚げると表面はサクッと中はもちっと、これまた違った味わいを感じられます。
味付けや調理法の違いだけでもお餅の食べ方はいろいろ。
そのなかでも、お餅の風味や味わいを最大限活かしていただく食べ方を筆者目線でご紹介したいと思います。
砂糖じょうゆ
シンプルな組み合わせだけに、手間なく作って食べられる手軽さもGOOD。
もちろん味わいも申し分なし。お餅の味を損ねることもなく、好みの甘さとしょっぱさにも加減でき、好きな方は醤油や砂糖にもこだわりを入れる楽しみがありますね。
お餅を食べるとき、筆者はこの味付けで食べる回数が一番多いかもしれません。
ちなみに筆者はたまり醤油が好みです。
きな粉餅(安倍川もち)
これも定番の味付け「きな粉」。
隠し味の塩が、甘さの際立たせ方を左右します。
きな粉は写真のような黄土色っぽいものと、うぐいす色っぽいものと2種類あります。
黄土色っぽいものは、黄色い大豆を使ったもので、うぐいす色っぽいものは青大豆を原料にしたものです。
きな粉は、大豆を炒って皮をむき、挽いて粉にして作られます。
ほかの和菓子にも使われるきな粉。
なんとなく素朴で、どこか懐かしさが残る、上品でもありながら主張はせず一歩引いたおしとやかな感じの佇まい。
これ、とっても大好きです。
おしるこ
冬や寒い季節にはぴったりの一品「おしるこ」。
甘党には欠かせない一品(ひとしな)ですね。
汁もので甘い味付けにして食べる方法を最初に考えた人は素晴らしいと思いました。芸術です。
熱々のおしるこに焼いたお餅を入れるだけで、冬にぴったりの最高に美味しい甘味に仕上がります。
寒い部屋で食べると、これまた美味しさ倍増です。
元来「おしるこ」はしょっぱい食べ物だったそうです。その起源は遡(さかのぼ)ること江戸時代。当時は「すすり団子」という名で親しまれていたそうです。
すすり団子は、もち米とうるち米(通称ごはんのお米)を混ぜてつぶして作り、小豆を粉にした汁で煮て作っていたそうです。味付けは当然、塩。そして当時では大変高級品でありました「砂糖」を上から少しだけ振りかけていたそうです。
そんなしょっぱい味付けのすすり団子は、甘味としてではなく、酒の肴として楽しまれていたそうです。
今では全く想像もつきませんよね。
時代や原料事情など環境が変わると、料理や食べ方も時代に合わせて変わっていくものだという事がよくわかりますね。
からみ餅
さっぱり食べたいときはコレ!
大根おろしと醤油のシンプルな組み合わせ。
大根の辛みと醤油の味がキリッとさせてくれる、焼いたお餅でも、揚げたお餅でも良く合います。
お酒のおつまみにも良いですよね。
お好みで刻みねぎや柚子皮の刻んだもの、七味唐辛子や海苔などをトッピングしてもさらに味に奥深さが出てきます。
おはぎ・ぼたもち
和の恵みスイーツ「おはぎ」
まさに和を代表する甘味の一つですね。
もち米とうるち米を混ぜて、適度な加減につぶして作ります。
まわりに、つぶあん(またはこしあん)で包んで出来上がりです。
餡の中に、隠し味として少量の塩を入れるとなお一層全体が引き締まり、甘みが引き立ちます。
ぼたもちとも呼びますが、おはぎとぼたもちの区別は諸説るそうです。
「おはぎ」・・・
御萩とも書き、秋の彼岸の時期に咲く「萩」の花に見立てて
「ぼたもち」・・・
牡丹餅とも書き、春の彼岸の時期に咲く「牡丹」の花に見立てて
ということで、春には「おはぎ」と呼び、秋には「ぼたもち」と呼ぶそうです。
お雑煮
お正月といったらこれ、「お雑煮」ですね。
なんといってもお正月感がたまらない一品です。
地域や家庭によっても味付けや具材などのほか、お餅そのものにも違いがあるようです。
東日本では、四角い切り餅を焼いて香ばしさを出し、醤油ベースのつゆに入れるお雑煮が主流のようです。
西日本では、丸いお餅を茹でて味噌仕立てのつゆに入れるお雑煮が主流のようです。
その他、各都道府県では魚介や野菜や練り物など、その土地でさかんな食材を入れるようですね。
それぞれに、それぞれの味わいがあるお雑煮。いろいろな食べ方があって地域性が出るのもまた良いものですね。
納豆餅
一部の地域でしか知られていない郷土的な食べ方、「納豆餅」
納豆に醤油や付属のたれをからめて、ねぎやからしなどお好みの薬味を加えて作ります。
北海道や東北地方のおもに山形県や宮城県などで食されている、知る人ぞ知るレシピ。
お米や水が美味しい地域でもある独特な組み合わせ。お餅を美味しく食べる秘伝があります。
さいごに・・・
お餅の食べ方もさることながら、もち米が出来上がるまでの農家の方々のご苦労や食物の持つ力(パワー)について、改めて振り返ることできました。
私たちが生きるために頂く食べ物は、自然や天地の恵みに感謝をするのと同時に、またそれを作られた人々のご苦労に対して感謝をして、頂く必要があると感じます。
先人たちの培ってきた知恵や技術を集結した食文化は、豊富な食物と食べる喜びを与えてくれます。
このように恵まれた食の環境であるからこそ、食に対する感謝の心を忘れずに日々持ち続けていきたいと思います。