柿の日 ~10月26日~
さかのぼること、時は明治28年。1895年10月26日。
奈良県で旅行の最中、あるひとつの詩(うた)を詠んだ歌人がいた。
「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」
正岡子規の俳句だ。生涯で20万を超える句を詠んだと言われており、その中でも最も有名な句のである。
これは、「おくのほそ道」で有名な江戸時代の俳諧師、松尾芭蕉が詠んだ「古池や蛙飛びこむ水の音」と肩を並べるほど有名な詩である。
正岡子規は、奈良を旅行中、法隆寺の茶店で一休みしながら柿をほおばっていた。すると、途端に法隆寺の鐘が鳴り、その響きに秋を感じた。という詩である。
当時、正岡子規は28歳であった。
そして、この日10月26日を『柿の日』とした。
※全国果樹研究連合会カキ部会にて2005年に制定。一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録。
柿が赤くなると、医者が青くなる
秋になり、柿が実り赤みを帯びて食べごろになると、その美味しい秋の恵みを頂く。
ビタミンAやビタミンCが豊富に含まれる柿は、人々を病から遠ざけ病人が減ったことから。医者はとても暇になり大変困った、という伝えである。
日本の代表的なフルーツのひとつでもある柿は、歴史が古く、縄文時代から種が出土していたと言われています。
「KaKi」という言葉は世界でも通じ、学名も「ディオスピロス・カキ」といわれ、「神から与えられた食べ物」という意味があるそうです。
柿はどの都道府県が人気?
2015年~2017年の総務省統計局の家計調査(二人以上の世帯)で、下記の購入数量のランキングを見てみましょう。
1位 岐阜市 8,516g
2位 鳥取市 4,615g
3位 堺市 3,898g
4位 甲府市 3,859g
5位 札幌市 3,714g
ダントツで岐阜市が1位ですね。
ちなみに柿の生産量が多い県は、和歌山県、奈良県、福岡県の順です。
あまり知られていませんが、柿の幹は家具材として用いられています。
「桃栗三年柿八年」と言われ、柿は種をまいて実がなるまで8年程度かかります。これは何事も成し遂げるまでには相応の年月が必要だという例えでもあります。
主な品種
【富有(ふゆう)】
岐阜県本巣郡の原産で甘柿を代表する品種です。
明治35年に、この柿を作れば農家に富が有る、という言われから富有と名付けられたそうです。
完全甘柿で、出回りは11月がピークです。福岡県、岐阜県、奈良県が生産量1万トン以上で生産量の御三家と言われています。同じ富有でも、福岡県産は紅が濃くて腰高、岐阜県産は、紅がやや薄くて腰が低いといった特徴があります。
【次郎(じろう)】
静岡県周智郡に住む松本次郎吉さんが太田川を流れている柿の幼木を拾って、植えたのが始まりと伝えれられています。
柿の中でも上品な風味を持ち、独特のこりこりとした食感が特徴です。
次郎は富有や平核無に次いで多い栽培量を誇り、愛知県と静岡県を2強として生産量の80%を占めています。